大学職員の仕事内容を解説!【やりがい&大変さ&仕事の将来性は?】

大学職員の仕事

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先日、以下のツイートをしました。

ツイートにもあるように、さまざまな経験・スキルを活かせるところが、大学職員の良いところではないかと個人的には考えています。あと、これも主観にはなりますが、めちゃめちゃやりがいある仕事だと思っています。

では、実際のところ大学職員にはどんな業務があり、どんな毎日を送っているのか。どんなやりがいや大変さがあるのか。そして、大学職員という職業の将来性とは…?ここらへんについて、実体験もふまえながら書いていきたいと思います。

※本記事は、“私立大学”の職員の仕事について解説しています。

この記事を書いた人

大学職員の経験、丸7年。求人広告の制作実績、3,000件超。「大学職員」と「転職支援」の2つのキャリアをいかし、大学職員への転職を検討している方に現場の実態を伝えます。

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大学職員は仕事の幅がかなり広い

大学という組織は「教員」と「職員」に分かれていて、ざっくり言うと、

教員=教育・研究を担当
職員=大学運営全般を担当

という役割分担になります。職員=大学運営全般ですから、その職域は実に広範にわたります。

自分が勤めていた大学の職員組織は、こんなかんじでした。

■学部事務
教員組織で構成される各学部の運営サポートおよび事務にかかわること

■教務課
カリキュラム・時間割・履修・試験・成績管理など授業運営全般にかかわること

■学生課
学生相談対応・奨学金・部活サークル・学内イベントなど学生支援全般にかかわること

■就職支援課
求人対応・キャリア相談・就活イベントなど学生の就活支援全般にかかわること

■入試広報課
入試の企画運営・高校訪問・オープンキャンパス・各種広報業務・マスコミ対応など入試・広報全般にかかわること

■経営企画課
学部設置業務・補助金関係・調査関係など大学経営における企画にかかわること

■産学連携課
市町村・企業・高校との連携、ボランティア関係など社会活動全般にかかわること

■管理課
総務・人事・採用・調達・経理・財務・設備管理・IT/ネットワーク・図書館など管理業務全般にかかわること

部署の名称や業務のすみ分けは大学により多少の違いはありますが、どこも大差ないと思います。一言に大学職員といっても、その業務領域は多岐にわたるんですね。

ちなみに、あなたがこれまで培われた経験・スキルがいかせそうな仕事は見つかりましたか?

大学職員という職業には、実にさまざまな経験・スキルがいかせます。「誰にでも活躍できるチャンスのある職業」といっても過言ではなく、そこが大学職員の良いところかなと思っています。

大学職員は誰と関わることが多い?

仕事上で関わる人(ステークホルダー)は、学生、教員、外部。こちらもとても幅広いです。

わかりやすく図で見ていきましょう。

部署対学生対教員対外部概要
■学部事務学部の運営に関わる職務だけに、教員との絡みが非常に多い。
授業における事務手続きなどで学生と関わることも。
■教務課授業や成績に関する事務を担うため、教員との連携が不可欠。
履修指導などで学生と関わることも少なくない。
■学生課学生生活(授業以外)に関するあらゆることで学生を支援。
学生と外部の橋渡し役を担うこともある。
■就職支援課学生と企業をつなぐ立場。学生への就職指導を行う一方、
求人対応や就職系ガイダンスなど企業とのやりとりも多い。
■入試広報課進学希望の高校生やその保護者、高校教員へのPRを担う。
マスコミ対応もある。各学部の教員との連携も必要。
■経営企画課文科省による通達をふまえた大学経営の企画を行う部門。
文科省とのやりとりは基本メールが多い。
■産学連携課市町村・企業・高校など外部機関との連携を目的とした部門。
ボランティアなどで学生と関わることも。
■管理課教職員のバックオフィスを担う。日々のQ&Aにも対応。
外部の専門業者の力を借りながら運用する。

こんなかんじ。担当部署によって、関わる人が異なるわけですね。

ちなみに、言うまでもありませんが、部署をこえた横のつながり(職員同士の関わり)もあります。これがもっとも密接な関わり合いといえるでしょう。

職員同士のやりとりエピソードや職場の雰囲気を赤裸々に描いた記事が多数ありますので、ご興味のある方はあわせてどうぞ。


大学職員の仕事の「やりがい」とは?

冒頭にも書きましたが、大学職員はめちゃめちゃやりがいの大きい職業だと思っています。

具体的にどんなやりがいがあるのか、主観が入ってしまうとは思いますが、5つほど紹介させてください。

大学職員のやりがい①

◆学生とのやりとりが楽しい

大学職員の毎日は学生気分か?と問われるとそうではないですが、学生とはよく話します。

気心の知れた学生は世間話をしにわざわざ来てくれますし、お菓子やおみやげのおすそ分けをくれたりもします。僕の場合、ボランティア活動やオープンキャンパスを通じて学生といっしょに活動することが多かったですし、野球部の監督もやっていたので、ほぼ毎日学生といっしょにいました。たまに学生と飲みに行ったりもしますしね。

エピソードは山ほどあるので、また別で書きたいと思っていますが、心に残っているのは学生との些細なやりとりですかね。何気ない日常を学生たちと和気あいあいと過ごせることが、何よりの醍醐味。まさに仕事の特権ですね。

大学職員のやりがい②

◆学生の成長を支援できる

職員は教員のように授業をするわけではありません。ただ、学生に教育・指導する場面が色々とあるわけです。

たとえば、新入生へのオリエンテーションや履修登録の指導、就活生に対するキャリア指導…etc。特に、学生生活の支援がミッションである学生課に所属していれば、学生との関わりそのものが仕事だったりするわけです。

僕もボランティア活動やオープンキャンパス、部活動、その他もろもろで学生の指導に携わっていましたが、関わった学生はどうしても気にかけてしまうんですよね。入学当時から関わっていれば、その後4年間は成長ぶりを目で追える、というわけです。

就職先が決まったとき、そして卒業を迎えるときなどは、それはそれは自分のことのようにうれしくて誇らしくて。「たやさんがいたからやってこれました」なーんて言われた日には、涙ボーンボーンです。

教員免許を持ってるわけでもないのに、若者の教育に携われるやりがいは、大学職員ならでは。“教育”という分野にそこまで興味がなかった僕が言うので、まじですよ。

大学職員のやりがい③

◆企画の自由度が高い

これ、どういうことかというと、大学は業者(クライアントワーク)ではないので、色々と自由に企画できるよ、ということです。

僕自身、大学に転職する前は、企業の求人広告をつくる仕事をしていました。当たり前ですが、クライアントの要望ありきです。個人的に「Aがいい」と提案しても、クライアントが「いや、Bで」となれば、Bを作らなければならない。

一方、大学の場合、クライアント=学生になるわけですが、そこはあくまで教育機関。学生のニーズをベースにするのは当然ですが、提供するサービスの企画(中身)は自由。もちろん上長の承認は必要になるものの、自由度の高さは業者とは大違いです。

このやりがい③は、僕が大学職員への転職を考えるようになった理由のひとつでもありました。クライアントにコキ使われて疲弊している業者勤めの人にとって、大学での仕事は天国なんじゃないかと思いますね。

大学職員のやりがい④

◆大学への帰属意識&一体感

大学への帰属意識や一体感を感じる瞬間、それが部活動です。たとえば、箱根駅伝や東京六大学野球を思い浮かべていただけると、イメージしやすいかもしれません。

僕が勤めていた大学は地方なので、この2つの大イベントと縁はありませんでした。とはいえ、野球部の監督を務めていたため、まさに“大学の名にかけて”戦っていました。

大会が始まれば、学生や教職員はもちろん、学生の親御さんも球場に駆けつけてくれます。ふだん野球には興味のない学生たちも「友だちが出るから」「自分の大学を応援したいから」という理由で、応援に参加してくれるのです。

試合に勝利し、スタンドにあいさつをするときには、応援席の学生たちがみんな最前列まで来てくれて喜びを分かち合う。「ああ、やっててよかった」と心の底から実感する瞬間です。

いかがでしょう。民間企業のサラリーマンに、こんな贅沢な時間があるでしょうか。

大学職員のやりがい⑤

周囲から一目置かれる職業

「今どんな仕事してるの?」と聞かれること、少なくないですよね。そんなとき「大学で働いてる」と言うと、ほぼ100%「すごい!」と言われます。

「もしかして教授!?」と言われることも多くて、「いや、教員じゃなくて職員」と答えると、若干の「なーんだ」感はあります。が、最終的には「でもすごい」と言われます笑。

近隣の高校に出前講座で呼ばれたりすることがあるのですが、校長室に通されますからね。教員でもないのに、“先生”呼ばわりされるし。

ステータス感なんていうと大げさですが、大学で働いているというだけで、わりと良い思いをしますね。一目置かれる職業であることは間違いないですね。

大学職員の仕事の「大変さ」とは?

仕事がきついとか辛いとかしんどいとか、人それぞれ感じ方が違いますよね。なのであまり参考にはならないと思うのですが、自分の場合、大学職員の仕事自体そんなに「大変だ」と思ったことは正直ありません。

詳しいことは、大学職員が楽な理由=ルーティンワークの繰り返しがメインだから!に書いていますので、あわせてどうぞ。

とはいえ、「大変だと思ったことはない」だと話が進まないので、仕事の難易度や量(ボリューム)という観点で、3つほど書いてみたいと思います。

大学職員の大変さ①

◆小難しい文章の読解が必要とされる

大前提として、私立大学の場合、文部科学省の方針・指示にもとづき、運営をする必要があります。そのため、社会情勢や法律改正などを受けて、日々さまざまな通達がやって来るわけです。

国からのお達しとなると、文章が異様に長い&硬い&見づらいものが多数。結果、完読したとしても何を伝えたいのかわかりにくかったり、理解に時間がかかったりすることが日常茶飯事です。

特に面倒なのは、新たに学部・学科を設置したり、カリキュラムに変更を加えたりする際の申請手続きについて。指定のフォーマットに沿って何ページにもわたる申請書を作成・提出しないといけないのですが、これがまたわけがわからない。しかも提出して終わりではなく、国から承認をもらわなければ実行に移せないため、テキトーに済ませるわけにはいかないのです。

…とまあ、国へのグチみたいになってしまいましたが、、、社会情勢の理解に加えて、文章読解力や理解力、文章作成能力が求められる仕事であることは間違いないですね。

大学職員の大変さ②

◆休日出勤が多い

実はそうなんです。文字どおり、土日出勤が多めです。

入試やオープンキャンパス、入学式、卒業式、父母会など、大学は年間を通して行事が目白押し。イベントの規模に関係なくキャンパス内で何か催し事があるときには、誰かしら出なければならないですからね。

とはいえ、自分が勤めていた大学の場合、ちゃんと振休が取れるので、まったく問題ありませんでした(振休が取れない大学なんて無いはず)。むしろ、平日休みだと人混みがないので、買い物や遠出にもってこい。たまに訪れる平日休みは、楽しみのひとつでしたね。

大学職員の大変さ③

◆もちろん繁忙期もアリ

どこの大学でも同じだと思いますが、学生の成績を締めて年度が切り替わる時期(2月~4月)が繁忙期だと思います。この時期には入試、成績判定、卒業式、入学式、新入生の受け入れ、履修登録がありますからね。

残業でいうと、普段は月20時間程度(1日1時間程度)、5月~8月の閑散期は月10時間程度(1日0~30分程度)。それが繁忙期になると、月50時間くらいになります。自分が勤めていた大学では、そんなかんじでした。

大学職員の場合、個々人にノルマなどはありませんので、チームプレーが基本です。仕事をたくさん抱えている人(部署)がいれば、手が空いてる人(部署)がヘルプに入る文化があります。

逆の言い方をすれば、自分の仕事が終わったからといって、「お先に失礼します」というわけにはいきません。個人プレーを好む人には向いていない職場かと思います。

ちなみに、気になる大学の職場風土や教職員の人間関係が知りたい方は、転職会議を見ておくといいでしょう。いわゆる企業の口コミサイトなんですが、大学の“内部事情”もたくさん掲載されているんです。

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大学職員の雇用形態は?

民間企業には、正社員、契約社員、アルバイト・パートなどの雇用形態があります。大学の職場でも、呼び名は違えど、形態は同じです。

大学民間企業
    専任職員        正社員    
契約職員
・有期雇用職員
・専門嘱託職員
契約社員
 アルバイト 
 パート 
 アルバイト 
パート

実は僕自身、大学職員に転職した当初は、契約職員でした。入職して1年半後に専任職員に登用された、という経緯があります。

雇用形態による違いも、民間企業と同様。役割や労働条件が異なります。

雇用形態による役割・労働条件の違いについては、大学職員の「契約社員」には応募すべき?の記事で詳しく書いているので、気になる方はそちらもどうぞ。

大学職員のキャリアパスとは?

キャリアパスも民間企業と同様にあります。

以下はあくまで僕の勤めていた大学の一例です。

▼一般職員
▼主任
▼係長/課長補佐
▼課長
▼部長
▼事務局長

こんなかんじ。

課長以上が管理職。階層によって役割が少しずつ高度になることや、役職手当の金額が変動することなど、民間と変わらないですね。

僕の勤めていた大学では、いわゆる年功序列制でした。どんなに仕事ができても実績をあげても、年齢が若いと要職への登用には至らない。とはいえ、年齢と職歴を重ねたからといって、全員が昇格するわけでもない(管理職をそんなにたくさん配置する必要がないため)。

それなりに仕事ができればそれなりに昇格するけど、逆にお荷物系の人だとどんなに職歴を重ねても主任どまり、みたいなかんじですね。

◆大学職員に異動は付きもの

ひとつお伝えしておきたいのが、大学職員には異動(ジョブローテーション)が付きものだということです。

僕の場合、丸7年で学部事務、教務、学生支援、入試広報の4部署を経験しました。20年戦士、30年戦士のベテラン職員に話を聞くと、「部署異動なんて20回以上経験してるよ」なんて人も。(←これ、全然めずらしくない)

公務員に近いのかなと思うのですが、大学運営の現場では「一分野のプロフェッショナルを育てる」という考え方はあまりなく、「オールラウンドプレーヤーを育てる」ことに重きを置いています。

特に将来の幹部候補になると、各部署を渡り歩き、広く浅く知識を身につけるよう要請されます。ちなみに、僕が大学職員を辞めた理由のひとつがコレです。ひとつのことを深く突き詰めたいタイプなので、向いていなかったのかもしれません。

他大学の職員の話を聞いても似たようなかんじです。やはり、大学職員=ジョブローテありきで考えておいたほうがよさそうですね。

大学職員にも転勤はある!

大学職員の転勤については、以下のとおりツイートしました。

まとめると…

■転勤の可能性ナシ

・キャンパスが1つしかない大学

■転勤の可能性アリ

・キャンパスが2つ以上ある大学
・小中高の付属校を併設している大学

だいたいの大学がこの中に当てはまるはずです。入職する前に確認を!

大学職員の将来性とは?

ここまで大学職員の仕事に関することについて書いてきましたが、最後に「大学職員の将来性」についても触れておこうかなと。

変化の激しいこのご時世、「大学職員=堅実で安定した仕事」…と思っている人がどれだけいるかわかりませんが、「んなわけあるか!」というのが正直なところです。大学職員=安泰などというのは一昔前の話であり、斜陽産業であることは間違いありません。

理由は2点。「少子化」と「AI」です。

少子化の影響により、大学経営そのものが危うくなりつつあるということは、みなさん薄々気づいていることかもしれません。また、AIをはじめとしたテクノロジーの急速な進化により、大学職員の仕事そのものが代替されてしまうのではないかというのが二つ目の懸念ですね。

ひょっとすると大学職員の将来性については、大学職員への転職を検討している方にとって最大の関心事だったりするのかなと思います。そのあたりは、大学職員の仕事は今後なくなる?という記事を書きましたので、そちらをご覧いただけると参考になるはずです。

大学職員の仕事がイメージできたら…

というわけで、[大学職員の仕事とは?]でした。

大学職員の仕事はなんとなくイメージがついたかと思いますので、次はいよいよ大学職員の求人を見ていきましょう。

大学職員の求人を探すときは、適切な転職サイトに登録しないと意味がありません。なぜなら、大学職員の求人をまったく取り扱っていないサイトと、大学職員の求人に強いサイトが明確に分かれているからです。

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