この記事を読んでいただいているということは、すでに転職活動を行なっていることでしょう。
そして、「これから志望動機を書こうとしている」もしくは「今まさに書いているところ」かもしれません。
とりわけ「転職が初めて」という方は、どのくらいのボリュームで書けばいいのか不安もあるはず。
「短すぎたら間違いなく落とされるよね…?」「とはいえ長すぎてもダメだよな…?」と、書いては消し書いては消し…を繰り返しているかもしれません。
そんなあなたのお役に立てればと、書いた記事です。
転職希望者と企業の橋渡し役を務めている立場から、「志望動機における文字数」について語っていきたいと思います。
志望動機の文字数は重要じゃない!?
「え…?そうなの?」と目ん玉が飛び出た方もいるかもしれません。
早速、その理由ですが、
志望動機は、文字数よりも“中身”が大事。
そりゃそうですよね。
もっと言うと、志望動機だけでなく、職務経歴書そのものが、文字数よりも中身が大事です。
言われれば「そりゃそうだ」と思える、この「中身が大事」問題。ではなぜ、中身が大事なのでしょうか?
志望動機は“中身”が大事。その理由とは?
早速、理由を見ていきましょう。
志望動機の文字数よりも“中身”が大事な理由
◆企業が求めているのは、文字がたくさん書ける人ではなく、“活躍できる人”だから。
◆むやみに文字数が多いと、読み手(採用担当者)の負担になるから。
企業が求めているのは、文字がたくさん書ける人ではない
まず当たり前なんですが、志望動機って書くことが目的じゃないんですよね。企業は、文字をたくさん書ける人が欲しいわけではないので。
とてもシンプルですが、これが文字数がそれほど重要じゃない理由のひとつです。
企業の採用担当者は、応募者一人ひとりの職務経歴書&履歴書に目を通し、面接してみたい人を選んでいく。
つまり求職者としては、「面接してみたい人」に選抜されなければならないわけです。
採用する側の立場に立って考えてみてください。
◎「1000文字にわたる超大作なくせに、惹かれるものが何もない志望動機」
◎「200文字とシンプルだけど、“会ってみたい”要素を含んでいる志望動機」
どちらを選びますか?という話です。
むやみに文字数が長いと、読み手(採用担当者)の負担になる
これも、企業の採用担当者になりきって考えたほうが、理解が早いです。
前述したように、企業の採用担当者は、応募者一人ひとりの職務経歴書&履歴書に目を通し、
面接してみたい人を選んでいきます。
これ、仮に応募者が100人だったときのことを想像してみてください。100人全員の書類にどれだけ真剣に向き合えますか?ということなんです。
より人気のある求人の場合、200人~300人の応募が集まることなんてザラにあります。そんな状況で書類をチェックし、ダラダラと書いてある志望動機なんて誰が見ますか?
採用担当者もあなたと同じ人間ですから、めんどくさいものはめんどくさいのです。
ここがわからないと、書類選考はなかなか通らないと思います。
“中身”のある志望動機とは?
文字数よりも中身が大事なのはわかったけど、そもそも“中身”のある志望動機って何なのよ?
たしかに。おっしゃるとおり。それじゃ、中身の正体を暴いていきましょう。
“中身”のある志望動機とは
“仕事そのもの”への意欲が感じられる内容
=仕事そのものへの興味・関心が志望動機になっている。
たとえば、とある企業に30名からの応募があったとしましょう。当然、志望動機欄の内容はバラエティ豊かです。
「業界の成長性に魅力を感じて…」
「会社の安定性に惹かれて…」
「仕事内容にやりがいを感じて…」
「年収アップを実現したくて…」
「待遇が充実しているので…」 …etc.
5つほどカンタンな例を挙げてみましたが、どれが一番ウケがいいと思いますか?
答えは「仕事内容にやりがいを感じて…」です。
これ、理由はわりとシンプルで、「求人=労働者の募集だから」です。企業としては、やりがいを持って一生懸命働いてくれる人が欲しいのです。
逆に、給与や待遇、休日休暇などの条件面に惹かれて応募してきた人に対しては、「そもそも仕事ちゃんとやってくれるのかね?」という疑念を持ってしまうわけです。
僕自身、求職者と企業のマッチング支援を3000件ほど経験してきましたが、ほとんどの企業が前述のように口を揃えますからね。
まぁでも、仮に「休みが多いところに惹かれました」と志望動機に書いていたからといって、イコール仕事ができない、というわけではないんですけどね。冷静になって考えればわかることなのですが。。。そのへんが企業の採用担当者の“ニーズ”なのでしょう。
まぁ、あらがっても仕方がないので、ここのところはおとなしく、「仕事そのものへの意欲が感じられる内容」を書いておいたほうがいいと思いますね。結果的に、書類選考の通過率が上がりますので。
とはいえ、当然、仕事内容に惹かれて応募に至った人ばかりではありません。そんなときどうするか?については、次章をご覧ください。
志望動機が書けないときの“奥の手”とは?
「仕事そのものへの意欲が感じられる内容」を志望動機にすることの意味はわかった。ただ、自分は別の動機で応募したんだけど、そういう人はどうすればいいのよ?
これについては、もう、極意をお伝えします。あまり大きな声では言えないことなので、シェアは禁止で。。。
これ、結論としては、「求人広告からパクれ」です。求人広告の仕事内容欄やPRスペース欄を熟読し、“仕事のやりがい”を抽出。で、それを自分の志望動機にしてしまうやり方です。
求人広告に書かれていることは、いわば企業側が伝えたいことです。広告に書かれていることが動機となって応募に至った、ということであれば、企業側が伝えたいことを理解・共感していることになる。そりゃあ、面接に呼びたくなりますよね。
もうひとつは、「転職エージェントを頼れ」ですね。
求職者と企業の橋渡しとなる転職エージェントには、キャリアアドバイザーという転職支援のプロフェッショナルがいます。
求職者1人につきキャリアアドバイザー1人が担当者として付くのですが、彼らに「〇〇という企業に応募したいのですが、志望動機に困っていて…」という相談をすると、親身になってアドバイスしてくれます。
転職エージェント各社は基本的に成功報酬のビジネスモデルとなっており、求職者の入社を決めないと報酬が入ってこない仕組みになっています。
つまり、エージェントとしては一人でも多くの入社を決めたいのです。それだけに、求職者の悩みにはとことん付き合ってくれます。しかも無料で。頼らない手はないですよ。
個人的におすすめの転職エージェントを、30代におすすめの転職エージェント【2選】にまとめています。ぜひご覧ください。
「そもそも転職エージェントって何?」という方は、[転職サイト]と[転職エージェント]の違いとは?の記事もあわせてご覧ください。
ここからは余談(というか独り言)になるので、読み飛ばしてもらってかまいません。
給与や待遇、休日休暇などの条件面に惹かれて応募してきた人に対して、「そもそも仕事ちゃんとやってくれるのかね?」という疑念を持つ企業が多いとか。
ウソでもいいから、志望動機欄には「仕事に対するやりがい」を書くべきだとか。
志望動機が思い浮かばなかったら、「求人広告からパクれ」「転職エージェントを頼れ」とか。
なんかもう、駆け引きですよね。自分で書いていて、ちょっと気が引けました。本質じゃないというか。
だからいつまで経っても、入社後のミスマッチが減らないわけで。なんだか皮肉です。
書類選考や面接選考も、いつまでやるんですかね。こんなのいくらでもウソつけるんですけどね。
一方、企業側も「この応募者は本当のことを言ってるか?」みたいに疑ってかかる。まさに探り合い。
こんなんで適切な選考ができるわけないですよね。そんなふうに思っているのは、僕だけでしょうか。
[企業>労働者]の構図がそもそもの原因なんですけどね。これがいつまで経っても変わらない。まさに永遠のテーマ。
企業と労働者が平等な立場になる時代は、果たしてやってくるのでしょうか。
志望動機の書き方(構成)とは?
大事なことは色々わかったけど、
結局どう書けばいいのよ?
これは、わりとシンプルです。
[結論⇒根拠]を基本構成として書いていくわけです。
もう少し、かみ砕いてみましょう。
志望動機の構成
▼結論:なぜ入社したいのか?
▼根拠:入社したいと思ったきっかけは?
僕が転職したときの事例に当てはめて見ていきましょう。
(例)大学職員への転職を希望するTさんの場合
▼結論(なぜ入社したいのか?)
地元の活性化に寄与したいと考えている。地域活性化に若者の力は不可欠であり、そんな未来のコア人材を自らの手で養成したい。
▼根拠(入社したいと思ったきっかけは?)
前職で求職支援の仕事をしてきた。大学であれば、この経験とノウハウを、学生の就活支援やキャリア形成にいかすことができると考えた。
あとはこれを清書するだけ。
(例)大学職員への転職を希望するTさんの場合
私は「地元の活性化に寄与したい」と考え、貴学を志望しました。地域の活性化に若者の力は不可欠です。そんな地域の未来を支えるコア人材を自らの手で養成したい、という強い意志があります。
前職では、求職者と企業の縁を紡ぐ求職支援に務めてまいりました。この経験とノウハウをもとに、地元の学生の就活支援やキャリア形成に貢献したいと考え、志望させていただきました。
こんなかんじでしょうか。
[結論⇒根拠]の流れになっているはずです。
[結論⇒根拠]は、書類を書くときに限った話ではなく、ビジネス上のコミュニケーションにおいても、この流れが基本構成になっているはずです。
もちろん、面接時もこの構成で話すべきです。(面接時はここに具体性を入れるなど、もう少し肉付けが必要になります)
要は、コミュニケーションスピードを高めましょうね、ということが言いたいわけです。
ちなみに、上で書いた志望動機(例)の文字数は、174文字でした。まあこんなもんでしょう。
これより長くなると、読み手は「長っ」と感じそうですからね。このくらいのボリュームなら、忙しい採用担当者も全部読んでくれそうじゃないですか。
「短いと不安で…」という方がたまにいますが、それはきっと自分のエゴかもしれません。採用担当者からすれば、どこの誰だかわからない人の文章を読むことがまず負担なわけですから。
ちなみに、僕も採用担当者を何度か経験したことがありますが、結論と根拠が端的に書かれている人=配慮ができる人と仮定し、面接に呼んでいましたね。
逆にダラダラ長文を書いてくるような人は、自己中の可能性が高いので、お断りをしていました。
志望動機に大事なこと(まとめ)
というわけで、志望動機に必要なのは、文字数ではありません。改めておさらいしておきましょう。
◆志望動機は、文字数よりも“中身”が大事!
企業が求めているのは、文字がたくさん書ける人ではなく、“活躍できる人”。むやみに文字数が多いと、読み手(採用担当者)の負担にもなる。
◆中身のある志望動機とは?
“仕事そのもの”への意欲が感じられる内容=仕事そのものへの興味・関心が志望動機になっている。
◆志望動機が書けないときの“奥の手”とは?
求人広告からパクれ!転職エージェントを頼れ!
◆志望動機の書き方(構成)とは?
[結論⇒根拠]の流れでシンプルに!
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