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今回は、退職にまつわるトラブルのお話を。
僕自身、2度ほど「退職します」を告げた経験がありますが、そりゃあもう、2回とも言いにくかったです。なんか究極のサプライズ、というか。
早く言ってしまいたい気持ちはあるんですが、なかなか言い出せず。「あの…少しお時間よろしいですか?」と上司に声をかけるまで、何日も前からずっとソワソワしているわけです。
いつ言おう。何時に言おう。どこで言おう。どんな切り出し方をしよう。どんな表情で伝えよう。理由はどう伝えよう。
退職を決断したその瞬間から、「どうしよう…」が頭の中をグルグルと駆けめぐり、必要以上の緊張に襲われたことを覚えています。
一般的に、労働者には退職の自由が保障されているので、本人の意思さえ固まれば、いつでも退職できるんですけどね。
民法にも以下のように書かれています。
民法627条
1.当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
法律によると、正社員が退職する場合、会社には2週間前に伝えればいいんですって。
とはいえ、会社の就業規定は無視できないので、それに合わせてにはなりますが。
「退職の1ヶ月前までに申告すること」という就業規定が多いのではないでしょうか。僕が勤めていた2社とも1ヶ月前まででした。
退職って、わりとかんたんにできちゃうんです、実は。
しかし!
企業によっては、退職の意思を伝えた従業員に対してしつこく引き止めたり、嫌がらせや脅しをはたらいて退職させまいとするケースもゼロではありません。
実は、僕の知人にも同様のエピソード(実話)がありまして。精神的に追い込まれた彼は、退職代行を利用してなんとか退職。そんな彼の “退職までのプロセス”をノンフィクションでお伝えしようと思います。 (もちろん本人了承済みです)
ブラックすぎて退職を申し出るも、しつこい引き止めに
ここでは、[退職に苦労した僕の知人=A君]として話を進めていきますね。
新卒で入社した会社がブラックだったとは…
A君が新卒で入社したのは、投資用マンションを販売する不動産会社でした。職種は営業職。100%新規開拓で、個人顧客を相手にします。
研修もそこそこに、入社3日目で現場配属。名簿リストと営業トークのマニュアルを渡され、「電話をかけなさい」と。
何やらアポイントを取るまでが新人の仕事で、それ以降は先輩が対応してくれるそう。しかも、アポイントが取れるごとにインセンティブがもらえるのだとか。
なーんだ、営業ってわりとラク!?…というのは、完全な大間違い。電話など今までに家族や友だちにしかかけたことがないのに、いきなり「どこの誰かも知らない人」にかけろと言うのです。
何件くらい電話をかけたでしょうか。マニュアルに沿って話をするうちに、わりと慣れてくるものです。
しかしアポイントはおろか、ガチャ切りがほとんど。ちゃんと話を聞いてくれる人などいません。
「仕事って大変だな…」 ひと息つく余裕もないまま、初めての営業活動が終了しました。
ありえない仕打ちに、退職がよぎる日々
次の日も、また次の日も、その次の週も…。入社して1ヶ月、2ヶ月…と過ぎても、やることは変わりません。
満員電車に揺られて9時に出勤。すぐに電話をかけ始め、20時ごろまで約100件ほど、かけてかけてかけまくる。20時以降は反省会という名のお説教。23時ごろ、ようやく解放されます。
A君は数こそ少ないものの、数件のアポを取れていました。一方、新入社員のなかには、未だにゼロという者もいます。
思うように数字が上がらない者は、手を受話器にガムテープでグルグル巻きにされ、電話をかけていました。デスクの下にもぐりこんで電話をかけている者もいます。
20時を過ぎると、先輩社員による反省会(お説教)がスタート。言葉による攻撃だけでなく、プロレス技をかけられる者もいました。
社会人デビューのお祝いとして親に買ってもらったスーツについたほこりを払いながら涙を浮かべる同僚の姿を見たA君は、「だめだ、ついていけない」と退職を考えるようになります。
退職を切り出すも、聞き入れてもらえない
入社から4ヶ月。A君はついに退職を決意します。伝える相手は、直属の上司。「何を言われるかな」と不安を抱きつつ、勇気を振り絞りました。
結果、上司の回答は「ふざけるな」の一言。その日は、その一言だけで終わりました。
数日後、再び上司に時間をもらいます。「以前お伝えしたとおり…」と切り出すと、上司の表情が変わりました。「おまえが入社してから、どんだけ教育してやったと思ってんだよ。大した数字も上げてねーだろ。時間返せよテメー」。
A君と上司のやりとりを横目で見ている他の社員は、見て見ぬふり。同期の中にはすでに退職した者もいましたが、どうやって辞めることができたのだろう。。。
上司とは話にならないし、まったくもってラチがあかない。どうすればいいんだ…嫌すぎる。。。もう、逃げたい。逃げ出したい。。。逃げるしかない。
退職させてもらえないなら、逃げるしかない
「もうヤダよ。こんな毎日。実家に帰りたい」。A君は日に日に精神的に追い詰められていきます。
たまたま僕が転職支援の会社に入社したこともあり、よく相談に乗っていました。とはいえ、知識はまだ学生に毛が生えた程度。「退職代行とか使ってみれば?」など、助言はいつも冗談半分でした。
しかし、その退職代行をA君がまさかホントに利用するとは…。
退職代行
労働者に代わって退職の処理を行なうサービス。退職の申し入れはもとより、退職に必要な事務手続き全般を退職代行業者が代理で行なってくれる。
2010年代後半ごろから同サービスを行なう業者が急増し、テレビで取り上げられる機会も増加。「会社を退職したいときにスムーズに辞められる!」と注目度は高まる一方。
ブラック企業からの転職をプロが全面サポート 退職代行サービス「やめたらええねん」
引用元:Yahooニュース/ENCOUNT編集部
https://news.yahoo.co.jp/articles/60397ca94c5f2bd038790678ea2a8cba864e6748
若者が「退職代行サービス」を支持する真の理由
引用元:東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/389585
「使えない」上司に責められ…退職代行、私が選んだ理由
引用元:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASM2M5F5FM2MPTIL023.html
今でこそ、少しずつ世間に浸透してきた退職代行サービスですが、当時は認知度も低く、怪しさ満点でした。
とはいえ、転職支援の現場では話題になりつつあったので、冗談交じりに紹介したわけです。
ワラにもすがりつく思いだったA君は、退職代行というキャッチー(?)なキーワードを僕から聞いたとき、「これしかない」と思ったそうです。
ネットで検索すると、退職代行サービスを営む業者は、想像以上に多い。自分が知らなかっただけなのかもしれないと、あまり深く考えず電話をかけてみることにしました。
電話をかけたのは、とある弁護士法人でした。すると、退職理由は?退職希望日は?職場の雰囲気は?…等々、早速ヒアリングをかけられます。
料金は、5万円ほど。「5万で辞められるんだったら安いもんだ」と即日申し込みをしました。
その後、弁護士とは数回の打合せを行い、会社側に退職の申し入れを決行する日にちも決定。決行日の前日、A君は「身内に不幸があり…」というウソの話で会社を説得し、有給休暇を取得しました。
いざ、代理人による退職の申し入れを決行。報告の電話がかかってきたのは、その日の夕方でした。
「退職の申し入れは無事に完了しました」と弁護士。企業側は最初は強気な態度を示していたようですが、代理人が弁護士であることを伝えると、すぐに引いたそうです。
「従業員の退職には慣れている様子で、わりとスムーズでしたよ」と苦笑いをこぼす弁護士。A君は一気に晴れやかな気持ちになりました。
退職代行サービスのポイントまとめ
A君の退職トラブルから数年が経ち、退職代行を利用する人は年々増えてきているようです。
が、当時は「よくチャレンジしたな」というのが僕の正直な感想でした。A君はそれくらい追い込まれていたのです。
そんなこんなで、改めてA君に当時の話を聞かせてもらったわけですが、今だから話せる退職代行サービスのメリット・デメリットを教えてもらいました。
退職代行サービスの利用を検討したいという方は、ぜひ参考にしてください。
退職代行サービスを使う【メリット】
カンタンに辞められる
A君の場合、2回ほど上司に退職の申し入れをしたわけですが、いずれも受け入れてもらえませんでした。
対応に苦慮し困惑するA君でしたが、退職代行を使うことで想像以上にスムーズに退職が成立。
A君いわく、「そりゃあ円満退社が理想だけど、現実的にそれが困難な人も少なくないんじゃないかな。会社が向き合ってくれないとき、“逃げる”という選択肢も俺はアリだと思う。じゃないとメンタルやられちゃうから」とのこと。
「退職します」を自ら言わずに辞められる
「退職願いをなかなか切り出せない人もいると思うので、そんな人にも退職代行はいいよね」とは、A君の経験談。
A君の場合、退職の申し入れを2回拒否されて以降、上司の対応が明らかに変わったといいます。言ったこと自体を後悔する日もあったそうです。
退職を切り出せずズルズルと仕事を続けている人にとっても、うってつけのサービスなのかもしれません。
会社側とやりとりせずに辞められる
退職間際、A君は「上司とは顔も合わせたくないし、話すことも勘弁」と話していました。
退職代行により、退職の申し入れはもちろん、さまざまな事務手続きをすべて代行してくれたようで、退職する本人が表立って会社とやりとりすることは一切なかったそうです。
退職代行を利用する際は、「会社と一切接点をもたずに辞められるか」を確認したうえで申し込みをしたほうがいいのかなと思いました。
退職代行サービスを使う【デメリット】
「正直デメリットはないかも」…というのがA君の感想。強いて言えば?と問うと、ひとつ教えてくれました。
お金がかかる
前述したように、A君が依頼した弁護士法人には、5万円ほど支払ったようです。この金額についてA君は「退職するだけで5万円も払うのは高いのかもしれないけど、まぁプライスレスかな」と。
とはいえ、法律上、労働者には退職の自由が保障されていることを考えると、余計な支払いであることは間違いないですよね。
ちなみにネットで調べるかぎり、退職代行サービスの料金は、2.5万円~5万円程度が相場のようです。
退職代行サービスを申し込む際の【注意点】
A君の事例をうけて、退職代行サービスを申し込むときの注意点を、僕なりに考えてみました。
A君が利用したのも、このタイプ。安心してすべてを任せられる点が、弁護士対応型の最大のメリットです。
詳細を以下で説明しますね。
まず、弁護士の有資格者以外の人が報酬を得る目的で法律事件に関する代理・仲裁・和解を行なうことができないという法律(弁護士法72条)があるようです。
わかりやすく、表にしてみました。
弁護士 | 弁護士以外 | |
退職の意思を会社側に伝える | 〇 | 〇 |
退職に必要な各種書類の処理 | 〇 | 〇 |
法律にもとづく主張や拒否 | 〇 | × |
退職に関する法律相談 | 〇 | × |
なのでたとえば、
当社の就業規則において、退職の申し出は1ヶ月以上前と決まっているので、退職を受理することはできない。
とか、
業務の都合上、後任を採用するまで退職させることはできない。
…などと会社側から言われたとき、弁護士か否かによって対応できる/できないが変わってきます。
御社のルールや状況はどうであれ、法律上、本人が2週間前に退職の申し入れをすれば、退職は可能ですね。
(弁護士以外)
・・・・・・。
(弁護士の資格を有していないので、法律にもとづく主張や交渉はできない)
つまり、弁護士であれば、
◆一見もっともらしい会社側の主張に対しても、法的観点から的確な反論が可能!
◆退職をめぐるさまざまなトラブルに対して、すべてを代理で交渉してくれる!
というわけです。
最後に、注意点をもうひとつ。
これは僕が退職をしたときの経験談なんですが、退職した“後”も在籍していた会社とやりとりしなければならないことがありまして。
離職票や源泉徴収票の受け取りですね。退職に成功したとしても、これらをどうするかが問題になります。
なので、退職代行サービスに申し込む際は、どこまで請け負ってくれるのかを事前に確認しておくべきかもしれません。
おすすめの退職代行サービス
最後に、弁護士が対応してくれる、おすすめの退職代行サービスをご紹介します。
サービス名をクリックすると、サービスの詳細をチェックできますので、検討されている方はぜひご参考にしてください。
◆退職110番
運営者:弁護士法人あおば
所在地:広島市南区
料 金:43,800円(税込)
◆弁護士法人みやび
運営者:弁護士法人みやび
所在地:東京都中央区
料 金:55,000円(税込)
「法適合の労働組合」が運営する退職代行サービスなどもあるようです。参考までに載せておきますので、 弁護士対応サービスとの比較にお使いください。
◆退職代行ガーディアン
運営者:労働組合 東京労働経済組合
所在地:東京都北区
料 金:24,800円(税込)
◆ジョブセル
運営者:労働組合 ジョブセルユニオン
所在地:愛知県刈谷市
料 金:25,000円(税込)
なんと、後払いOK(業界初)のサービスも。弁護士監修なので安心感もありますね。
◆辞めるんです
運営者:LENIS Entertainment株式会社
所在地:東京都新宿区
料 金:27,000円(税込)
★後払いOK(完全成果報酬型)
“業界最安値”をウリにしている業者さんも、参考までに載せておきます。
◆J-NEXT
運営者:J-NEXT株式会社
所在地:東京都港区
料 金:20,000円(税込)
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